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福岡県工業技術センター
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材料技術課
 材料技術課では、金属プロセスチームが金属材料の加工プロセスである熱処理、塑性加工、溶接、鋳造等に関する技術分野を、表面プロセスチームがめっきや溶射等の表面処理や腐食防食に関する技術分野を主な対象として、研究開発や技術指導による技術的支援を行っています。また、電子顕微鏡やICP発光分析装置等の高度な分析機器を用いた評価解析技術にもとづいた依頼試験や、これら設備機器の開放利用を行っています。さらに、産業界との連携のもとに地域企業の技術向上を目指した活動として、九州熱処理技術研究会や材料評価技術講習会の運営を行っています。

金属プロセスチーム

 金属材料の加工プロセスである熱処理、塑性加工、溶接、鋳造等の技術分野について、ミクロ組織の解析・制御技術を基盤とした技術的支援を行っています。また、地域の熱処理技術の向上を目指して、産学官より構成される九州熱処理技術研究会の運営を行っています。

業務の紹介

■高窒素ステンレス鋼の開発
 資源環境に優しい窒素を活かした高窒素オーステナイト系ステンレス鋼の製造や特性を研究しています。窒素添加は強度や耐食性、耐水素脆性の向上、非磁性化に極めて有効です。SUS304などの市販素材の高窒素化技術に加えて、価格変動の大きいニッケルを窒素で置換した「Niフリー高窒素オーステナイト系ステンレス鋼」の事業化研究を産学官で実施しています。
樹脂封止(実装)された半導体チップ表面の残留応力(シミュレーション結果)
樹脂封止(実装)された半導体チップ
表面の残留応力
(シミュレーション結果)
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■EPMAによる炭素・窒素の定量分析
 検量線法を用いれば、鉄鋼中の微量炭素や窒素(1mass%以下)の面分析や定量分析をすることが可能です。但し、良好な結果を得るためには、均一組成を有する標準試料が必要となります。分析事例として、検量線法による(1)炭素の線分析および(2)窒素の面分析の結果を示します。
EPMAによる炭素の定量分析
(1)炭素の定量分析(右図:検量線、左図:線分析結果)
EPMAによる窒素の定量分析
(2)窒素の定量分析(右図:検量線、左図:面分析結果)
■金属プレス加工時の割れ改善
 自動車の製造において金属プレス加工は最も重要な技術の一つですが、部品形状の複雑化・軽量化が進む程、部品には欠陥(割れ)が発生しやすくなります。従来は、部品や金型の設計を工夫することで対処していましたが、加工温度を制御するなど、新しい視点から割れを改善することを目指して研究を行っています。
■金属のミクロ組織制御
 金属材料の内部はミクロン(1ミクロンは1000分の1ミリメートル)レベルの組織で構成されており、その組織制御により強度の向上などの性能改善ができます。電子線マクロアナライザー(EPMA)等を用いた評価・解析技術を活用し、熱処理、塑性加工、溶解、焼結などのミクロ組織制御技術に基づいた研究や技術指導を行っています。
熱処理による金属のミクロ組織制御
熱処理による金属のミクロ組織制御
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■破面解析
 金属部品の破損原因の調査には、破断面の解析が重要な役割を担っています。電子顕微鏡等による観察技術を用いたマクロおよびミクロのレベルでの破断面構造の解析を行い、破損原因を推定しています。
金属部品破損の破面解析事例
金属部品破損の破面解析事例
■金属材料の試作溶解・鋳造
 3タイプの溶解炉(汎用型高周波溶解炉、コールドクルーシブル溶解炉、アーク溶解炉)で、鉄鋼材料、非鉄金属材料、高融点金属材料等、幅広く金属材料開発の支援を行っています。大気溶解では、鋼約25kgまで溶解可能であり、鋳造も対応可能です。

表面プロセスチーム

 自動車や携帯電子機器での利用の増加が見込まれるマグネシウム合金について、応用範囲や付加価値の拡大を目指した表面処理技術(めっき、溶射等)について研究しています。また、めっき工場で発生するスラッジのリサイクル技術について産学官での研究開発に取り組んでいます。材料の成分分析、金属腐食の調査などの依頼や問い合わせについて、電子顕微鏡やICP発光分析装置等の高度な分析機器を用いた技術支援を行っています。

業務の紹介

■マグネシウムの表面処理
 軽くて丈夫な構造材料であるマグネシウム合金の利用が、ノートパソコン等の携帯電子機器の分野で拡大しており、また燃費の向上を目的として自動車等の輸送機械への利用拡大が期待されています。マグネシウム合金の使用可能な領域を増やすために、耐食性や耐摩耗性などの性能向上を図る表面処理技術の研究開発を行っています。
■めっきスラッジのリサイクル
 めっき工場から排出されるめっきスラッジ(泥状の排出物)は、現状では埋立処分されており、環境保護の観点から再資源化が望まれています。亜鉛のスラッジについて金属資源としての再生を目指したリサイクルシステムの試作を行っています。
■コールドスプレイ皮膜の開発
 コールドスプレイと呼ばれる新しい溶射技術を使って、自動車部品に適用できる溶射皮膜の開発を地場企業との共同で行っています。コールドスプレイにより形成される溶射皮膜は従来からの溶射皮膜とは特性が大きく異なることから、材料組成、材料作製方法についても検討を行い、開発を進めています。
■金属材料等の微量成分分析
 高機能・高性能な材料の開発要求により、部品等の成分元素の分析が以前に増して必要とされています。高度な分析機器(ICP発光分析装置、蛍光X線分析装置など)と分析スキルによる正確・精密な成分分析を提供しています。
■表面分析技術
 新材料開発や品質管理に必要とされる高精度な表面分析機器(走査電子顕微鏡、X線回折装置、グロー放電発光分析装置)を依頼試験や開放利用等として、蓄積してきた評価解析技術ともに提供しています。
SEM-EDXによる腐食部の成分分析例
SEM-EDXによる腐食部の成分分析例
グロー放電発光分析による表面処理鋼板の分析例
グロー放電発光分析による表面処理鋼板の分析例
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■腐食・防食技術
 金属材料は特定の条件下では腐食しやすくなります。外観不良による価値低下に留まらず、それが原因で機械部品の破損が生じることもあり、腐食原因の調査の相談が寄せられます。蓄積してきた防食技術により、原因の推定と対策の提案を行っています。
■材料評価技術講習会
 RoHS指令等での環境規制や高度な材料技術が求められる中、分析評価技術についての関心が高まっています。分析機器メーカ等との共催により最新の分析機器について、技術講習会を実施しています。年2回程度開催しており、参加料は無料です。
■めっき技術の中核人材育成
 本地域に蓄積されてきためっき技術の技術・技能の継承と、多種・多様化するめっきについての開発、解析、生産技術を産学官の連携のもとに創造することで、めっき産業の発展を支え、牽引する人材の育成を目指しています。