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化学課

化学課は高分子材料を中心に有機系材料が対象の高分子材料チームと、無機材料を対象としたセラミック材料チームの2チームから成ります。高分子材料チームでは、ゴム・プラスチック製造業の業界団体を主に、県内企業と連携を取りながら、人材育成、技術指導及び研究開発支援を実施しています。一方、ナノセラミック材料チームでは、ナノ粒子合成等に係る技術の他、窯業分野における焼物原料の開発、県内主要産地間の異業種保有技術のコラボによる新製品展開などの支援を実施しています。
また、技術相談、設備使用、依頼試験等、年間2,900件(13件/日)の利用に対し、化学課職員一丸となって対応しています。

高分子材料チーム

高分子材料チームでは、ゴム、プラスチックを始めとする高分子材料の高機能化やリサイクル技術の研究をおこなっています。特に、H30に開所した「高分子材料開発支援ラボ」を活用し高分子複合材料の開発・ 製品化を支援しています。本施設では、ゴムやプラスチックに機能性材料を複合化させるための設備を整備しており、「混練」「成形」「試作」「評価」を一気通貫で行うことが可能です。また、セルロース ナノファイバーや蛍光試薬などナノ材料に関するシーズ研究もおこなっています。これらの研究により蓄積された技術を活かし、県内中小企業の課題解決や技術開発を支援しています。更に、県内中小企業の産業 人材育成を支援するため、ゴム、プラスチックに関する研修にも積極的に取り組んでいます。

業務及び成果の紹介

高分子材料の分析・評価技術

高分子材料に関する分析技術や評価技術の蓄積に努めています。開発した材料や使用する材料の性能評価から材料トラブルの解析まで、保有する測定装置や分析装置における分析・評価の技術の習得により県内中小企業を支援しています。

新規高分子材料の開発

近年、揮発性有機化合物を含まない高分子材料の必要性が高まっています。これを実現するための環境調和型高分子材料の開発をおこなっています。材料の合成、配合設計及び物性評価までを行い、県内中小企業の新製品開発を支援しています。

高分子材料のリサイクル技術

FRPのグリコール分解技術、プラスチックの分別技術の研究開発に取り組んできました。研究によって蓄積した技術を活かして、高分子系廃棄物の有効利用に関する技術支援をおこなっています。

高分子材料の耐久性評価

高分子材料の耐熱性、耐候性、耐オゾン性、耐摩耗性等の材料の耐久性評価に関する研究開発を実施すると供に技術の蓄積に努めています。保有する技術や装置を用いて、県内中小企業の材料開発や製品開発を支援しています。

ナノチューブの高機能化に関する研究

組織化(ハニカム構造)されたCNTの画像

組織化(ハニカム構造)されたCNT

優れた電気特性、機械特性を持つカーボンナノチューブ(CNT)の高機能化に取り組んでいます。特に、これらの特性を発現させる際に重要な、分散・組織化に関する技術の蓄積をおこなっています。さらに、これらの技術を用いた種々の製品開発を目指した研究をおこなっています。

高圧水素用Оリングの開発

 
 

高圧水素用Оリングの画像

高圧水素用Оリング

水素ステーション等高圧水素を使用する設備において、シール材(Oリング)はガス漏れを防ぐ重要な部品です。しかしながら水素ステーションでの配管内は、高圧水素、温度、圧力といった非常に厳しい環境であるため、通常のOリングでは短期間に漏れたり破損したりすることがあります。そこで、県内7社のゴム製造企業と共同で高圧水素用Oングを開発しました。本開発品は、耐久性、温度特性等、世界的にも高い水準であることが実証試験により明らかとなりました。

VOCフリー加硫接着剤の開発

VOCフリー加硫接着剤の画像

VOCフリー加硫接着剤

免振装置等の製造において金属とゴムを接着する必要がありますが、従来のスプレー塗布法では接着剤の歩留まりが悪い上に厚みムラの発生や有害ガス(VOC)の発生といった課題がありました。そこで、中島ゴム工業株式会社を支援し加硫接着剤フィルムを開発しました。これは、加硫接着剤を無溶剤の特殊なフィルム形状にしたものであり、金属とゴムの間に挟んで加熱することで強力に接着するものです。本フィルムは簡便かつ信頼性の高い接着を可能とし、更にVOCを発生しないため作業環境の改善にも役立ちます。

新規蛍光試薬の開発

新規蛍光試薬の画像

新規蛍光試薬

がん研究・診断用バイオツールとして生体組織を標識化する蛍光試薬を開発しています。既存の試薬には無い、優れた光物理特性、耐久性、操作性を兼ね備えた材料を開発し、地域の高度先端医療のクラスター形成を支援します。

セラミック材料チーム

セラミック材料チームはセラミック材料全般を担当しており、セラミックに関連する様々な研究・相談・指導をおこなっています。特に、ナノ粒子の合成及び評価、セラミックスの焼結、無機系廃材のリサイクルや、窯業に関わる産業(博多人形、上野・小石原ブランド等の焼物、そして瓦産業等)での代替原料研究、これら異業種産業間での新製品展開に関する研究・支援などです。生産や研究に際し、セラミックに関連する技術的な問題がございましたら、お気軽に当チームにお問い合わせ下さい。

業務及び成果の紹介

セラミック材料の分析・評価技術

セラミック材料に関する分析技術の蓄積に努めています。さらに、保有する測定装置や分析装置により、材料に関する評価を行い、県内中小企業を支援しています。

チタン酸バリウムナノ粒子分散液

チタン酸バリウムナノ粒子の画像

チタン酸バリウムナノ粒子

ナノ粒子分散液

ナノ粒子分散液

高濃度ゾルゲル法を利用して各種電子デバイスの原材料であるチタン酸バリウムの10~30nmの超微細粒子分散溶液を日揮触媒化成(株)と共同開発しました。既製の電子デバイスに用いられている粒子サイズは微細なものでも100~200nm今回開発した粒子の微細さは際立っています。原材料のナノサイズ化が望まれている各種電子デバイスや各種光学部材への用途展開が期待できます。

薄物多色瓦壁建材

観光列車に施工された瓦壁建材の画像

観光列車に施工された瓦壁建材

瓦製品の利用拡大を目指し、鉄道車両にも施工可能な壁建材を開発しました。瓦製法による焼きものでありながら10mm以下の厚さで軽量の製品です。あわせて、伝統のいぶし銀とともに、漆黒や朱といった多色品も可能で、福岡を走る観光列車「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」の内装に採用していただきました。

大型博多人形

大型博多人形「羽衣」と人形作家 國崎 氏

大型博多人形「羽衣」と人形作家 國崎氏

博多人形商工業協同組合と共同で、博多人形の大型化の課題であった焼き縮みによる「割れ」等の問題解決に取り組み、各種粘土の配合比を最適化することで焼き縮みの少ない粘土の開発に成功し、大きな博多人形「羽衣」を作製しました。「羽衣」は、福岡を代表する伝統工芸品として、平成20年9月から福岡国際会議場に展示されています。

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