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令和5年度 機械電子研究所 指導事例
- 合金鋼におけるレーザ焼入れ条件の検討
- 鋳鉄管内面ライニング後の変色原因
- めっき製品の変色原因
- レーザー顕微鏡を用いたダイヤモンド粒子の分布評価
- 金属積層造形装置によるミシン用治具の補修
- 切削加工から金属粉末射出成形への工法変換の検討
- 手術室内の流速分布評価について
- ボル ト締結時の軸力測定
- 光学シミュレーションによる製品性能推定
- フィットネス時の姿勢データの測定支援
1. 合金鋼におけるレーザ焼入れ条件の検討
材料技術課
合金鋼におけるレーザ焼入れ条件について相談があった。文献や弊所データベースを基にした加工条件の助言を行った。
2. 鋳鉄管内面ライニング後の変色原因
材料技術課
鋳鉄管の内面ライニング後に発生する、まだらな変色部について原因調査の相談を受けた。変色部から鋳鉄管の成分以外の元素が検出された。その問題元素の発生源は、内面を研磨する際に使用した砥石であった。問題元素を含有しない砥石に変更後、変色発生が無くなった。
3. めっき製品の変色原因
材料技術課
錫めっき製品の変色原因調査について相談があった。SEM-EDX 表面分析の結果、基材成分と酸素が検出され、錫めっき膜への基材成分の拡散および酸化が示唆された。膜厚および下地層の効果について助言した。
4. レーザー顕微鏡を用いたダイヤモンド粒子の分布評価
材料技術課
ダイヤモンド粒子が金属中に分散したダイヤモンド砥石は使用時間に伴い劣化するため、表面状態の観察を行いたいと相談があった。光学像では金属中の透明なダイヤモンドの分布の観察は困難であったが、波長 405 nm のレーザーの反射強度を用いた観察により、ダイヤモンドの分布を明瞭に分析、評価できるよう支援を行った。
5. 金属積層造形装置によるミシン用治具の補修
生産技術課
現在、自社で使用しているミシン用の金属製治具について、製品の仕様変更から治具の形状の一部変更が求められているが、一からの作り直しが難しいとの相談があった。そこで、金属積層造形装置による形状の修正を提案し、既存部品に付加造形することで形状を変更し、ブラスト研磨によって後加工を行った。
6. 切削加工から金属粉末射出成形への工法変換の検討
生産技術課
現在、切削加工にて製造している部品について、同形状を金属粉末射出成形にて試作したいという相談があった。部品形状の金型を持ち込んでいただき、射出成形機及び脱脂焼結炉を用いて作製した。その後、3D デジタイザを用いて、形状の評価を行った。
7. 手術室内の流速分布評価について
機械技術課
手術室全体に空気が行き渡っているか確認するために、流体解析を行った。空気の流入部分に圧力損失を与えて解析することで、気流の拡散を模擬した。
8. ボル ト締結時の軸力測定
機械技術課
軸力測定用治具の圧縮試験を実施し、荷重とひずみの関係を求め、治具を用いてボルトの軸力測定を実施した。
9. 光学シミュレーションによる製品性能推定
電子技術課
光学シミュレーション結果を用いて製品試作前にウイルスや菌の除菌性能及び配管補修工事施工条件を推定した。
10. フィットネス時の姿勢データの測定支援
電子技術課
既存アプリケーションを用いて測定したフィットネス時の対象者の姿勢のデータに対して、パソコンに取り込みレポートを出力するアプリの試作を支援した。