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生産技術課

生産技術課は精密加工チーム生産システムチームによって構成され、「精密加工」、「工作機械制御」、「コンピュータによる設計・生産」及び「加工・計測システム」に関する技術の研究開発をおこなっています。また、蓄積した技術を基に、「ものづくり」の基盤産業である金属加工業、特に、金型関連企業に対して、技術指導及び3次元測定、形状測定などの精密測定の依頼試験を通して、県内中小企業の技術支援をおこなっています。更に、県内金型関連企業及び大学等で構成される福岡県金型研究会の企画運営もおこなっており、県内金型企業の技術力向上に貢献しています。

精密加工チーム

金型は、ものづくりにおいて最も重要な道具で、金型精度が製品精度に影響するため、高精度な金型作りが求められています。特に、近年医療・バイオ関連機器等の小型化、高機能化に伴い、微細部品用金型の高精度化への要求が高まっています。このため、当チームでは、高精度な微細金型を製造するための、微細加工用装置の開発及び新加工技術の開発に関する研究及び精密・微細加工技術に関する技術指導をおこなっています。

業務の概要

当所に設置された機械設備を活用して、独自に開発した技術シーズを基に、県内企業と実用化に向けた研究に取り組んでいます。また、次世代微細加工技術の開発にも取り組んでいます。

技術シーズ

  1. マイクロニードルアレイ成形用マスター型の放電加工技術(特願2020-025776)
  2. 高アスペクト比を有する深穴の高速放電加工技術
  3. 転写金型製造技術
    (特許第5286471号:転写金型製造方法)
    (特許第544150号:転写金型用入れ子の製造方法及び転写用入れ子並びにそれらに用いられる転写金型用入れ子部材)
    (特開2019-093651:新規な転写金型用入れ子の製造方法)
1.マイクロニードルアレイ成形用マスター型の放電加工技術

中空マイクロニードルアレイ製造技術概要の画像

中空マイクロニードルアレイ製造技術概要

マイクロニードルアレイ成形用マスター型の画像

マイクロニードルアレイ成形用マスター型

微細針の集合体であるマイクロニードルアレイ(MNA)は痛みを伴わない新しい経皮薬物送達システム(TDD)として期待されています。これまで国内外において研究開発が進んでいるものの、エッチング、フォトリソグラフィを用いることによる製造コストや成形精度について課題が残っており、安価で高精度な製造技術が必要とされてきました。そこで電極加工性に優れた銅グラファイト材を使用した精密放電加工技術により金属製MNAマスター型を加工する技術、およびこれを用いた樹脂製マイクロニードルアレイの成型技術を開発しました。

2.高アスペクト比を有する深穴の高速放電加工技術

直径2mm 深さ300mmの深穴加工の画像

直径2mm 深さ300mmの深穴加工

大型タイヤの金型では、一金型当たりにガス抜き穴(φ2㎜、平均深さ300㎜貫通)を約1,500穴以上加工する必要があります。従来は全て人手による加工(ハンドドリル加工)に頼っていたため、 加工時間増大や工具折損などの課題解決が急務になっていました。そこで、パイプ電極を用いた細穴放電加工技術によってこれまでの加工時間を1/2以上短縮する高速化ならびに加工の自動化を実現しました。

3.転写金型製造技術

転写金型製造技術の画像

高精度の加工したマスター型を高温に加熱した金型素材に押圧することで、マスター型形状を高い精度で転写し、同一精度の高精度金型を量産する技術です。マスター型素材と金型素材の組合せにより、 形状誤差0.5%以下のLED用レンズ金型や、曲率半径30μmのマイクロニードル用金型の作製が可能です。

実用化事例

高機能性細胞培養容器の製造技術
微細凸形状の高精度放電加工技術

転写金型製造技術の画像

マイクロニードルアレイ(MNA)マスター型と同じく、多数穴を加工した電極を使用して一度に多数の凸形状を放電加工する技術を開発しました。この技術を用いて加工した金型と成形した細胞培養容器です。

大型タイヤ金型のガス抜き穴の高速放電加工技術
技術シーズ2.高アスペクト比を有する深穴の高速放電加工技術を活用

転写金型製造技術の画像

細穴放電加工技術を活用した、建機用タイヤ金型のガス抜き穴加工技術です。

ムダ光低減LED照明用レンズ金型
技術シーズ3.転写金型製造技術を活用

LEDレンズキャップ成形用転写金型と成形したレンズの画像

LEDレンズキャップ成形用転写金型と成形したレンズ

転写金型製造技術を活用して、光学特性を考慮したLEDレンズキャップ成形用金型を作製しました。その金型を用いて成形したLEDレンズキャップです。

蚊を模倣した穿刺システム用マイクロニードル金型
技術シーズ3.転写金製造技術を活用

曲率半径50μmのマイクロニードル成形用転写金型入れ子

曲率半径50μmのマイクロニードル成形用転写金型入れ子

蚊の針を模倣した穿刺システムに取り付けるためのマイクロニードル成形用金型を転写金型製造技術を活用して作製しました。

GFRP製下水道更生管穿孔用工具
県内企業と共同開発

GFRP製下水道更生管穿孔用工具と穿孔作業の様子

GFRP製下水道更生管穿孔用工具と穿孔作業の様子

下水道管の補修には、地面を掘らずに、老朽化した下水道管内側に熱硬化性の樹脂でライニングして補修する工法が用いられています。 補修した下水道管に各家庭からの接続管をつなぐため、補修を行ったGFRP製のライニング管にロボットを使い、孔をあける必要があります。 最近では補修間の耐震強度向上のため、ガラス繊維の入ったGFRPが用いられるようになってきたのですが、GFRPは高高度なため穿孔に時間がかかることが問題となっていました。 この問題を解決するため、県内企業と共同で、穿孔時間76%削減、工具寿命6.5倍のGFRP製下水道更生管穿孔用工具を開発しました。

生産システムチーム

製造業界では、製品のライフサイクルの短縮化・ニーズの多様化・製品の高品質化に伴い、部品の短納期化・多品種少量生産・高精度化が求められています。このため、当チームでは、金型などの金属加工製品を対象としたデジタルエンジニアリングの総合的な開発及び新しい加工装置や精密測定技術に関する研究及び技術指導をおこなっています。

業務の概要

当所に設置された高精度三次元測定機や3次元デジタイザを用いて、3Dデジタルモノづくりの支援や研究開発を県内企業と取り組んでいます。また、新素材であるCFRTP(炭素繊維強化熱可塑性樹脂)を用いた技術開発や、NC工作機械の開発及び応用技術の研究開発として加工力検知スピンドルの開発、 機上計測が可能な成形研削盤、多原子イオンによる表面加工装置等の開発にも取り組んでいます。

技術シーズ

3Dデジタルモノづくり支援

高精度三次元測定機の画像

高精度三次元測定機

3次元デジタイザの画像

3次元デジタイザ

新素材加工技術

3次元デジタイザの画像

CFRTPによる加工品

新しい加工装置

加工力検知スピンドルの画像

加工力検知スピンドル

機上計測式成形研削盤の画像

機上計測式成形研削盤

ナノレベル表面加工法

レンズ金型の画像

レンズ金型

CAE解析

プレス鍛造解析の画像

プレス鍛造解析

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